神経再生医療とロボットリハビリテーション

DOI
  • 弓削 類
    広島大学大学院 医系科学研究科 広島大学 宇宙再生医療センター

書誌事項

タイトル別名
  • ―理学療法の新しい職域としての再生医療―

抄録

<p> 理学療法と関わりの深い脳血管障害,軟骨損傷等の治療に,再生医療への期待が寄せられている。再生医療は,根治療法になると考えられていたが,臨床試験が進むにつれ,細胞治療後の理学療法の重要性が示されるようになってきた。再生医療+リハビリ(ロボットの活用)は車の両輪であり,その「統合」を国内外のプロジェクトで進めている。再生医療の成功は,幹細胞の質とリハビリテーションの質が大きな決め手となる。再生医療は,能力障害ではなく機能障害自体へのアプローチが可能になるため,障害の定義およびゴール設定の再考が必要となり,臨床現場を大きく変えるインパクを持つ。</p><p> 我々は,広島大学宇宙再生医療センターで頭蓋由来間葉系幹細胞を使った脳梗塞の再生医療の臨床治験を開始し多くの知見を蓄積している。細胞医療後のロボットリハビリとして現在多くのロボットを開発しているが,片麻痺用として“RE-Gait®”の開発し上市した。RE-Gaitと既存のロボットとの違いは,一定期間RE-Gaitを使用し,回復後に外せることを目標とするが,現状の理学療法の現場で使っても効果を上げている。既に全国の病院,デイケアセンター等で500例以上の症例で使われ異常歩行の改善に役立っている。これは長年,理学療法が蓄積してきた中枢神経の治療の多くの成果を補填するtoolとしても有用である。脳卒中患者への間葉系幹細胞を使った再生医療とロボットリハビリの組み合わせによる相乗効果の検証からの幾つかの知見を紹介する。</p><p>(RE-Gait®は,日本福祉工学会技術賞,日本機械学会賞,日本機械学会賞優秀賞,日本福祉工学会賞,日本設計工学会賞,日本ロボット学会賞,ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS,日本ニュービジネス大賞等の受賞とご支援を頂いた)</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390850490581819136
  • NII論文ID
    130008011419
  • DOI
    10.14900/cjpt.47s1.f-4
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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