在宅要介護高齢者に対するロイシン高配合食品による歩行改善

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タイトル別名
  • The Impact of Leucine Enriched Jelly on the Walking Ability of Frail Elderly People at Home
  • ザイタク ヨウカイゴコウレイシャ ニ タイスル ロイシン コウハイゴウ ショクヒン ニ ヨル ホコウ カイゼン

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抄録

<p> 加齢により低下する筋力・筋量を維持・向上することは日常生活活動を支える. 本研究では, 歩行速度を指標にして, ロイシン高配合食品を用いた長期的な栄養介入が在宅要介護高齢者の歩行改善に有効かどうかを検討する.</p><p> そのために, 在宅要介護高齢者をロイシン高配合食品による介入をする介入群8例と対照群6例に分類し, 13ヶ月間の介入を行った. また, 介入期間前後に歩行測定と食事調査, MNA-SF, BMIの算出を行った. 歩行測定からは, 自由歩行速度, 歩幅, 歩行率, 歩行比を算出した.</p><p> 統計分析から, ロイシン高配合食品の補食は自由歩行速度を向上させることを確認した. 事例分析では, 自由歩行速度が向上したケースは, BMI, 歩幅, 歩行率, 歩行比も改善した. 一方, 自由歩行速度が低下したケースでは, BMIは低下したが歩行比が改善した. これは転倒を予防するような安定した歩容であった. これらから, ロイシン高配合食品を用いた長期的な栄養介入は, BMIが維持された在宅要介護高齢者の歩行改善に有効であった. しかし, 在宅要介護高齢者の歩行能力を検討する場合には, 自由歩行速度に加えて歩行比も指標にすることが必要だと考えられた.</p>

収録刊行物

  • 日本家政学会誌

    日本家政学会誌 72 (3), 119-127, 2021

    一般社団法人 日本家政学会

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