トーナル・ペインティングと朦朧体

書誌事項

タイトル別名
  • Tonal Painting and <i>Mōrōtai</i>
  • トーナル・ペインティングと朦朧体 : J. McN.ホイッスラーと横山大観,菱田春草
  • トーナル ・ ペインティング ト モウロウタイ : J. McN.ホイッスラー ト ヨコヤマ タイカン,ヒシダ シュンソウ
  • J. McN. Whistler, Yokoyama Taikan and Hishida Shunso
  • J. McN.ホイッスラーと横山大観,菱田春草

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説明

<p>本稿では,J. McN.ホイッスラーによるトーナル・ペインティングと横山大観,菱田春草による朦朧体作品,特に欧米滞在中,そして帰国直後に描かれた作品との類似性,そしてその背景について検討する。ホイッスラーが日本美術からインスピレーションを得て制作した作品は,発表当時物議を醸したが,1880年代以降のアメリカにおけるトーナリズムの先駆けとなった。また,大観や春草が,新しい日本画の表現を模索する中で西欧絵画の画法を取り入れた作品は朦朧体と呼ばれて批判された。しかし,大観の述懐によると,1904–1905年にかけての欧米滞在時に開催した展覧会において,彼らの作品は飛ぶように売れたという。トーナル・ペインティングと朦朧体の表現の類似については,当時指摘されていたが,影響関係等については,これまで議論が及んでいない。ホイッスラー,大観,春草,そして岡倉覚三についての資料を整理し,19世紀後半から20世紀初頭にかけてのグローバリズムの中で,東洋と西洋による出会いの中で生まれた近似性について明らかにする。</p>

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