キレート樹脂固相抽出/ICP-MSにおける環境水中微量元素分析に及ぼす共存EDTAの影響

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of Adverse Effect of Coexisting EDTA during Chelating-resin Solid Phase Extraction on the Determination of Trace Elements in Environmental Water Samples by ICP-MS
  • キレート ジュシコソウ チュウシュツ/ICP-MS ニ オケル カンキョウ スイチュウ ビリョウ ゲンソ ブンセキ ニ オヨボス キョウソン EDTA ノ エイキョウ

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説明

<p>イミノ二酢酸系キレート樹脂を用いる環境水試料中金属類の固相抽出操作における,共存EDTAによる回収率低下について検討した.市販のキレート樹脂固相抽出カラムを用い,10 μg L−1(100 nmol L−1レベル)の重金属元素の添加回収に及ぼすEDTAの影響を検討したところ,100 nmol L−1以上のEDTAが共存すると,FeやCuなど多くの金属元素で回収率が低下することが分かった.EDTAは下水処理において除去が困難な物質であり,下水放流水には数100 nmol L−1に及ぶEDTAが含まれることもある.実際に,下水放流水流入の影響を強く受けた環境水試料の分析に本固相抽出法を適用すると,FeやCuの回収率は50% にも達しないことが確認された.EDTA錯体の影響を軽減するために,加熱酸処理を検討したところ,硝酸と過酸化水素の混酸を用いて200℃ で4時間加熱処理することにより,ほとんどの元素で95% を超える回収率が得られた.本法を用いて環境水試料の10倍濃縮を実施し,Fe, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb及び希土類元素の分析に適用可能であることが分かった.本法の有効性については,河川水認証標準物質(JSAC 0302-3c)の分析により確認した.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 70 (1.2), 31-37, 2021-01-05

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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