『秘密三部経伝授口決』について

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タイトル別名
  • On the “Himitsusanbukyo Denjukukets”
  • 『 ヒミツ サンブケイ デンジュグチ ケツ 』 ニ ツイテ

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抄録

<p> 筆者が、若き日、根嶺読み(根来読み)を修得するに際して使用した資料の中の一つが『秘密三部経伝授口決』である。</p><p> この『秘密三部経伝授口決』の「秘密三部経」とは『大日経』と『金剛頂経』(『金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経』)と『蘇悉地経』とであり、そして、この『秘密三部経伝授口決』の最後には、</p><p> 已上、醍山・根嶺の読曲等異なる中に伝授の時は、醍醐の通を用ゆべしなり。文字の真偽訓点の用捨は師伝の拵を用ゆべしなり。</p><p>と示されている通り、本書には醍醐読みと根嶺読みとの相違が明確に示されている。そして、伝授の時は根嶺読みではなく、醍醐読みを依用することが「習いである」とされている。</p><p> 本論では、『秘密三部経伝授口決』を読み下し文にして注記を付し、そして、できる限り四声や読み方を明確に残すように努めた。</p>

収録刊行物

  • 智山学報

    智山学報 69 (0), 89-116, 2020

    智山勧学会

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