第三項理論に拠る教育・授業

書誌事項

タイトル別名
  • The Method of Teaching Based on the “Third Term” Theory: “F” Is the Word Again
  • 第三項理論に拠る教育・授業 : 合言葉はF 続き
  • ダイサンコウ リロン ニ ヨル キョウイク ・ ジュギョウ : アイコトバ ワ F ツズキ
  • ――合言葉はF 続き――

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抄録

<p>私は、二〇一五年八月号で「合言葉はF」という題目の文章を書いた。Fとは関数のことである。私たちは、私の内部や外部のものと出会った瞬間、さまざまなFの関数を掛けている。その出力を私たちは「そのもの」と信じている。Fは関数の象徴であり、人により状況によって、そのFの構成関数は変わる。こういうことを書いた。</p><p>このことをふまえて、今度は教育のことについて考えたい。文学の授業が行われる場所では、教師・ある学習者・他の学習者・学習者集団・教科書・文学作品・作者・語り手・登場人物・教室・学校・教科書編集者・教科書会社・国家・地域社会・家庭・などなど、恐ろしいほどの数の、それぞれの関数が錯綜する。そのなかで、文学を使って、教育をするということはどういうことか、考えたい。</p><p>ヒントは、Fの力、である。私が、あるものと出会った瞬間にFという関数を掛けるのだが、その関数を掛ける前、掛けている最中、掛けた後の、その姿は、見られている。具体的には、私があなたと話をしている時、あなたの話を聞いて(そのもの)、その瞬間に自分の関数(F)を掛け、関数をかけた後の出力を私が受け止めている時、その全ての様子(相貌)を、あなたは見ている、ということである、恥ずかしいことに。言い換えれば、わたしとFとのやりとりが、あなたに何らかの影響を及ぼすということである。ここに私はFの力をみる。ここに、教育のヒントがあると、私は信じている。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 65 (3), 15-27, 2016-03-10

    日本文学協会

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