書誌事項
- タイトル別名
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- The Frequency of the Complication of Venipuncture in the Medical Examination—The Difference of the Punctured Venous and the Kind of the Needle—
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説明
<p> 健診時の採血においても合併症は発生する。採血部位別、使用針別に合併症頻度を検討し、より安全な採血方法を探った。対象は2018年4月から12月まで、当センターを受診した 52,830人で、採血部位(橈側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈)別、使用針〔採血針(ホルダー採血用の両方向直針)、翼状針、注射針(注射器採血に用いる直針)〕別に合併症の頻度を比較した。全体の合併症は0.17%、採血部位別では、橈側19/12,663例(0.15%)、正中39/31,025例(0.13%)、尺側29/8,227(0.35%)で、橈側と正中では差を認めず、尺側で橈側(p<0.01)、正中(p<0.001)に比し有意に多かった。針別には、採血針14/11,792例(0.12%)、翼状針70/39,371例(0.18%)、注射針9/1,667例(0.54%)で、採血針と翼状針の間に差は無かったが、採血針と注射針(p<0.001)、翼状針と注射針(p<0.001)の間には有意差を認めた。合併症の種類は、痛みが37.2%と最多で、内出血・腫れが28.7%、血管迷走神経反応が24.5%、痺れが9.6%だった。神経損傷が疑われる合併症(痛み・痺れ)に比し血管合併症(内出血・腫れ)は、より年齢の高い層に多い傾向にあったが、血管迷走神経反射は若年層に多く発生した。翼状針は成功率が高く合併症が少ないとされているが、今回は直針との間に差を認めなかった。以上の結果より、当センターでは、翼状針の使用を推奨し、採血部位は尺側皮静脈を避け、目視で良好な橈側、肘正中皮静脈については直針の使用も可能とした。</p>
収録刊行物
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- 総合健診
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総合健診 48 (2), 243-247, 2021-03-10
一般社団法人 日本総合健診医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390850700866416384
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- NII論文ID
- 130008027923
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- ISSN
- 18844103
- 13470086
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可