在宅の高齢者における入眠前後の自律神経反応と主観的評価

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  • The Subjective Evaluation of Sleep and the Autonomic Nervous Responses During Sleep Onset in Elderly at Home

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抄録

 日常生活下での高齢者における睡眠状態と入眠前後の自律神経反応を明らかにするとともに, これら睡眠に対する主観的評価との関係について検討することを目的とした. 対象は地域で自立して生活している65歳以上の8名 (男性3名, 女性5名) で, 自宅での睡眠をセンサーマット型睡眠計で測定し, 睡眠中には心拍計を装着した. 心拍計でRR間隔を計測し, 心拍変動により自律神経系の反応を分析した. 入眠後にRR間隔の延長, 自律神経系の活性の指標であるSDNNや交感神経系の指標としてのL/Tの低下が認められ, 高齢者は睡眠により交感神経系が抑制されることが示された. 睡眠に対する主観的評価との関連では, 睡眠時間, 在床時間が長いと睡眠の評価も上昇した. 自律神経と主観的評価の関係では, 入眠前と入眠後で関連が認められた. これらの結果より, 入眠前と入眠後の早い段階の自律神経反応が睡眠評価に影響していると考えられ, 高齢者の睡眠援助に入眠前から副交感神経系を高め, 交感神経系を抑制する自律神経系を調整するケアが必要であるといえる.

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