機関投資家に勤務するトレーダーの社内評価制度が取引行動に与える影響の研究
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- 芦立 剛樹
- 高知工科大学大学院博士後期課程
書誌事項
- タイトル別名
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- ―機関投資家へのアンケート調査―
抄録
<p>本研究では,金融業界の機関投資家として勤務するトレーダーの社内における評価制度(過酷なノルマや高額報酬)が株式売買を通じて,株式市場における非合理的な株価形成に与える影響の考察を行う.機関投資家で働いているトレーダー達の成果報酬の一部であるインセンティブについて,インタビュー調査を行った.その調査によりノルマや高額報酬といった強すぎるインセンティブが,トレーダー達の精神面への強いプレッシャーにより過度に成果を追い求めて公正価格を無視した取引を助長する可能性があるのではないかと考えた.先行研究の学生被験者を用いた実験研究からは,社内の評価制度を想定したトレーダー間の競争を煽るようなインセンティブ設定があるときに,非合理的な価格での取引が増加することが指摘されていた.そこで,本研究では機関投資家で実際に株式売買を行うトレーダーを対象にアンケートを実施し,トレーダーが実際に直面しているノルマとインセンティブ等の社内の評価制度により公正価格を無視した取引を行うことがあることを明らかにした.</p>
収録刊行物
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- ジャフィー・ジャーナル
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ジャフィー・ジャーナル 19 (0), 97-114, 2021
一般社団法人 日本金融・証券計量・工学学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390850733130182784
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- NII論文ID
- 130008029204
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- ISSN
- 24344702
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可