出生前診断に基づく新生児緩和ケア
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抄録
<p> 出生前診断の進歩により,様々な先天性疾患が胎児期に診断されるようになった.出生前診断では,診断や重症度が不確実な状況で,診療方針を医療チームや患児家族で話し合う困難さがある.</p><p> 出生後の診療に関わる多職種・多診療科で医学的情報や家族情報を共有し,出生後の診療方針を総意形成し,複数の診療科で医療チームとして病状説明している.重症の出生前診断症例の病状説明にはアドバンス・ケア・プランニングを活用している.出生後に明らかになる軽症から重症の重症度に応じて,集中治療や緩和ケアでできることを提示し,患児家族と医療チームで診療方針の協働意思決定を目指している.</p><p> 本稿では,出生前診断に基づく新生児緩和ケア,アドバンス・ケア・プランニング,家族同室ケアについて当院の取り組みを言及する.緩和ケアは終末期の「看取りのケア」とは異なる.未来を守るための<集中治療>と同様に,生きている今を大切にする<緩和ケア>はNICU医療の両輪と考える.</p>
収録刊行物
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- 日本周産期・新生児医学会雑誌
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日本周産期・新生児医学会雑誌 56 (4), 632-636, 2021
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390850777445653632
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- NII論文ID
- 130008030067
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- ISSN
- 24354996
- 1348964X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可