日本の胎児治療の動向
-
- 左合 治彦
- 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター
この論文をさがす
抄録
<p> はじめに</p><p> 子宮内の胎児に対する治療は,胎児の病的状態が正確に診断されるようになって初めて可能となる.「fetus as a patient」,「the unborn patient」の考え方は比較的新しく,出生前診断技術の進歩によって生まれ,胎児治療は出生前診断とともに歩んできた.1980年代超音波診断技術が急速に進歩し,胎児輸血,膀胱・羊水腔シャント術,胸腔・羊水腔のシャント術などの超音波ガイド下の穿刺手術が行われるようになった.また子宮を切開して胎児に直接手術操作を加えるという直視下手術が先天性横隔膜ヘルニアや尿路閉塞症に対して試みられた.1990年代には双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下レーザー凝固術が導入され,胎児治療は大きく発展し,その後先天性横隔膜ヘルニアにも胎児鏡下で治療が行われるようになった.わが国における胎児治療の歩みと動向について解説する.</p>
収録刊行物
-
- 日本周産期・新生児医学会雑誌
-
日本周産期・新生児医学会雑誌 56 (4), 558-560, 2021
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390850777445998080
-
- NII論文ID
- 130008029992
-
- ISSN
- 24354996
- 1348964X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可