ヒト血清中乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)およびアルカリフォスファターゼ(ALP)測定法のJSCC法からIFCC法移行に伴うビトロスマイクロスライド試薬の基礎的検討

  • 梅田 明和
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部
  • 冨山 修平
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部
  • 牧野 秀大
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部
  • 湯汲 万菜実
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部
  • 西田 祥子
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部
  • 村上 香
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部
  • 立石 智士
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部
  • 小林 尚子
    一般財団法人津山慈風会津山中央病院臨床検査部

書誌事項

タイトル別名
  • Basic study of VITROS micro slide reagent with transition from JSCC recommended method to IFCC reference method for measuring lactate dehydrogenase (LD) and alkaline phosphatase (ALP) in human serum
  • ヒト ケッセイ チュウ ニュウサン デヒドロゲナーゼ(LD)オヨビ アルカリフォスファターゼ(ALP)ソクテイホウ ノ JSCCホウ カラ IFCCホウ イコウ ニ トモナウ ビトロスマイクロスライド シヤク ノ キソテキ ケントウ

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抄録

<p>乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)およびアルカリフォスファターゼ(ALP)2項目の測定法をJSCC法からIFCC法に移行するため「ビトロススライドLDHI」(LDHI)および「ビトロススライドALKP」(ALKP)試薬の基礎的検討を行った。併行精度,試薬開封後の安定性は良好な結果が得られた。希釈直線性はLDHIで510 U/L,ALKPで837 U/Lまで確認できた。共存物質の影響では抱合型ビリルビンおよび非抱合型ビリルビン,乳糜,L-アスコルビン酸は影響を認めなかった。溶血ヘモグロビンについては,LDHIで濃度依存的に測定値の上昇が認められ,ALKPでは添加により測定値の低下が認められた。JSCC法との相関性は良好で,ALKPに関しては既報と同様に約1/3の測定値を示した。IFCC対照法との相関性は一部検体において,測定値の乖離が認められた。乖離検体中に含まれるアイソザイムの比率によって乖離した可能性が考えられた。本検討の結果,LDHI,ALKP両項目のIFCC法対応試薬は院内検査用試薬として十分な性能を有していると考えられ,当院は速やかにIFCC法へ移行できた。相関性の検討より,一部検体中に含まれるアイソザイム分画の比率によってビトロスと対照IFCC法試薬間で反応性が異なる可能性が示唆されたため,適切な検査,診断ができるよう各試薬の特性をよく理解し,場合によっては診療科への情報提供が必要であると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 70 (2), 279-285, 2021-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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