相模湾とその周辺地域の河川および沿岸域で記録された注目すべき魚類18種 -近年における暖水性魚類の北上傾向について-

  • 山川 宇宙
    筑波大学 山岳科学センター 菅平高原実験所
  • 三井 翔太
    東京海洋大学大学院 海洋科学技術研究科 応用生命科学専攻
  • 丸山 智朗
    東京大学大学院 農学生命科学研究科 生圏システム学専攻
  • 加藤 柊也
    東京大学 農学部 水圏生物科学専修
  • 酒井 卓
    東京海洋大学大学院 海洋科学技術研究科 海洋資源環境学専攻
  • 瀬能 宏
    神奈川県立生命の星・地球博物館

書誌事項

タイトル別名
  • Notes on Eighteen Fish Species Recorded from the Rivers and Coastal Areas of Sagami Bay and Adjacent Waters, Japan: Northward Range Extension of Warm Water Fishes in Recent Years
  • サガミワン ト ソノ シュウヘン チイキ ノ カセン オヨビ エンガンイキ デ キロク サレタ チュウモク スベキ ギョルイ 18シュ : キンネン ニ オケル ダンスイセイギョルイ ノ ホクジョウ ケイコウ ニ ツイテ

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説明

相模湾とその周辺地域において、16種の熱帯性魚類(ゴマフエダイ、ナミフエダイ、オキフエダイ、クロコショウダイ、ユゴイ、テンジクカワアナゴ、タメトモハゼ、ミナミサルハゼ、タネハゼ、ノボリハゼ、クチサケハゼ、ヒナハゼ、シジミハゼ、クロコハゼ、ミナミヒメハゼ、クロホシマンジュウダイ)と、2種の分布が南偏した温帯性魚類(チワラスボ、クロホシヤハズハゼ)が採集された。標本・写真資料調査および文献調査の結果、これらの魚類の多くは、近年になって当該地域における記録地点数が増加していた。また、黒潮沿岸に位置する九州以北の各地域において、これら魚類の合計記録種数および定着種数は経年的な増加傾向を示した。上述の結果は、暖水性魚類が黒潮沿いに北上傾向であることを示しており、地球温暖化に伴う海水温上昇が暖水性魚類の分布に影響を与えている可能性を示唆している。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

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