術前冠動脈の精査で有意狭窄をみとめたためIABP挿入下に慎重に周術期 管理を行った非心臓手術の3症例

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説明

<p>非心臓手術の周術期管理における大動脈内バルーンパンピング(以下IABP)挿入の適応と有用性に関しては明らかなエビデンスはない。</p><p> 今回,Revised Cardiac Risk Index(以下RCRI)の1因子を有し左前下行枝(以下LAD)領域を含まない2枝病変の1例,およびRCRIの2因子を有しLAD近位部を含む3枝病変の1例に対して,予防的にIABP作動下に非心臓手術を行った。さらに,LAD近位部を含む2枝病変で広範囲の心筋虚血が疑われた1例では,IABPの適応と判断しIABP作動下に非心臓手術を行った。いずれの症例も心合併症を起こさず手術を終えることが可能であった。IABP作動下で施行した非心臓手術症例に関しては症例報告が散見されるのみであるが,症例によってはIABP作動下に手術を施行してもよいと考えられる。今後非心臓手術におけるIABPの適応について,危険性,有益性を考慮した上でさらに検討する必要がある。</p>

収録刊行物

  • 蘇生

    蘇生 40 (1), 19-22, 2021-04-26

    日本蘇生学会

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