タイ,チョンブリ県,サマエサーン島のコバモク(褐藻綱,ホンダワラ科) 個体群の生長と再生産の季節変化

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タイトル別名
  • Growth and reproductive seasonal pattern of <i>Sargassum polycystum</i> C. Agardh(Sargassaceae, Phaeophyceae)population in Samaesarn Island, Chon Buri Province, Thailand
  • Growth and reproductive seasonal pattern of Sargassum polycystum C. Agardh (Sargassaceae, Phaeophyceae) population in Samaesarn Island, Chon Buri Province, Thailand

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抄録

ガラモ場は世界中の沿岸域で重要な生息場を形成している。コバモクは,タイランド湾に広く分布し,ガラモ場を構成する優占種である。我々は,2014 年1 月から2015 年12 月まで,タイランド湾の北東岸沖にあるサマエサーン島の潮間帯の岩礁で,毎月の方形枠による採集および観察と環境調査を行い,コバモクの季節変化を調べた。コバモクの被度,葉状部長,現存量,未成熟株の割合,成熟株の割合は,11 月から2 月の乾季で寒冷季に最大となり,水温と有意に負の相関があり(p < 0.05),DO とリンと有意な正の相関があった。単位面積当たりの幼体,未成熟個体,成熟個体,基部のみの個体の合計に対する基部のみの個体の相対的割合は,2014 年3 月と2015 年12 月に最大となり,流速と有意な負の相関があった(p < 0.05)。個体密度,および,単位面積当たりの幼体,未成熟個体,成熟個体,基部のみの個体の合計に対する幼体の相対的割合は5 月から9 月の雨季に最大となった。これらの結果は,モンスーンが環境変数を変化させ,変化した環境変数がコバモクの季節変化を制御していることを示している。コバモクの再生産は,コバモクが成熟する乾季の終わりの1 月から2 月の穏やかな低水温の海況で太陽放射の十分ある条件下で起こる。

収録刊行物

  • La mer

    La mer 55 (1-2), 11-23, 2017

    日仏海洋学会

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