オストワルドの段階則

説明

結晶多形を有する化合物が溶液から晶析する時,熱力学的安定性の低い準安定形が先に晶析し,その後安定形が出現する現象をオストワルドの段階則(Ostwald’s step rule,Ostwald’s rule of stages)といい,Whilhelm Ostwald(1909年ノーベル化学賞受賞)により提唱された理論である.結晶化の第1段階である1次核発生速度は,溶液の過飽和度と結晶核の界面エネルギーに依存するが,核発生では後者の影響が大きくなるため,高過飽和度では界面エネルギーが小さい準安定形の晶析が優勢となる.<br>なお,オストワルド・ライプニング(Ostwald ripening)は,同一多形でも結晶の大きさに不均一性がある場合,小さい結晶が溶解し,大きい結晶が成長する現象をいう.

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 57 (6), 525_3-525_3, 2021

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390851165526619776
  • NII論文ID
    130008046568
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.57.6_525_3
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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