分節性動脈中膜融解による腹腔内出血の術後生じた上腸間膜動脈血栓症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Thrombosis of the Superior Mesenteric Artery (SMA) Occurring After Operation for Intraperitoneal Bleeding from Segmental Arterial Mediolysis(SAM)
  • ブンセツセイ ドウミャク チュウマク ユウカイ ニ ヨル フクコウ ナイシュッケツ ノ ジュツゴ ショウジタ ジョウチョウカンマク ドウミャク ケッセンショウ ノ 1レイ

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説明

<p>症例は63歳の男性。突然の腹痛で救急搬送され,造影CTで上腸間膜動脈(superior mesenteric artery:以下,SMA)末梢にextravasationを認めた。中枢に血栓と考える低吸収域を認めたが末梢まで造影されていた。出血性ショックの診断で,止血術,横行結腸切除,回腸人工肛門造設術を施行した。2病日目に再度ショック,人工肛門の血色不良を認め,腹部造影CTでSMA閉塞と広範な腸管造影不良を認めた。SMA血栓症と診断し,大量小腸切除,右半結腸切除,人工肛門再造設を施行した。初回手術標本は病理学的に分節性動脈中膜融解(segmental arterial mediolysis:以下,SAM)と診断した。2回目の手術標本は新鮮血栓による閉塞で腸管壊死していた。われわれはSAMによる腹腔内出血後にSMA血栓症を合併し救命し得た非常にまれな症例を経験した。出血性病変の止血後に血栓症で血流障害をきたす危険性を考慮する必要があると考え報告する。</p>

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