衛星画像から推定した表層土壌・作物生育に基づく黒ボク土畑作地帯における可変施肥導入の可能性

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タイトル別名
  • The possibility of introducing variable-rate nitrogen application in uplands of andosol areas as evaluated by surface soil and crop growth attributes estimated from satellite images
  • エイセイ ガゾウ カラ スイテイ シタ ヒョウソウ ドジョウ ・ サクモツ セイイク ニ モトズク クロ ボクド ハタサク チタイ ニ オケル カヘン セヒ ドウニュウ ノ カノウセイ

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説明

<p>北海道の畑作地帯では土壌窒素肥沃度マップに基づく窒素可変施肥技術が導入されつつあるが,その効果は,窒素肥沃度が圃場内の作物生育のばらつきと正の相関を示す圃場で高いと考えられる.本研究では土壌腐植含量を窒素肥沃度の指標として着目し,十勝地域の123圃場で衛星画像から表層の土壌腐植含量,テンサイおよびバレイショの地上部の生育量を推定し,それらの関係から窒素可変施肥が効果的であろうと思われる圃場の実態を把握した.衛星画像は表層土壌が写る2016年4月と作物生育期の2016年7月(多雨条件)の2枚で,各画像には調査圃場123筆が含まれている.4月の画像では,赤域のデータと土壌腐植含量実測値の決定係数(R2=0.71)が最も高く,その回帰式から調査圃場の土壌腐植含量を推定し,7月の画像からは調査圃場のNDVIを把握した.土壌腐植含量とNDVIは10 mメッシュに再編成し,各圃場の両者の関係を線形回帰により評価した.その結果,多雨年にも関わらず,1%水準で正の相関を示した圃場はテンサイで20圃場(34.5%),バレイショで31圃場(47.7%)にも及び,一方,負の相関を示した圃場では腐植含量の高い場合の排水不良や低pHによる生育抑制が示唆された.したがって調査地域では,多雨年でも表層の土壌腐植含量とNDVIに正の相関が得られる圃場では窒素可変施肥は有効であろうと考えられた.</p>

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