大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科開設2年間の臨床統計

  • 糸田 昌隆
    大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科
  • 永久 景那
    大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科
  • 寒川 晃
    大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科
  • 今井 美季子
    大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科
  • 貴島 真佐子
    大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical study of patients at the Department of Oral Rehabilitation from May 2017 to May 2019
  • オオサカ シカ ダイガク フゾク ビョウイン コウコウ リハビリテーションカ カイセツ 2ネンカン ノ リンショウ トウケイ

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説明

<p>口腔機能の回復は,摂食・呼吸といった基本的生命保持,健全な食生活の確保,コミュニケーションや社会生活の回復と拡大が図られ,心身ともに健康な生活を実現する.生活機能の向上を目指したリハビリテーションを行うことで,QOLの向上,生きがいに満ちた生活の実現に繋がるため,人生の楽しみである食支援は重要である.2017年5月より口腔機能全般に対応する診療科として大阪歯科大学附属病院において,口腔リハビリテーション科が開設された.今回,当科開設当初から現在まで約3年半経過しているが,2017年5月1日から2019年5月末までの約2年間の当科受診患者の特徴および診療状況を把握する目的で歯科大学附属病院の診療科として,今後の医療・介護連携および地域医療における役割と課題について検討したので報告する.対象は,2017年5月1日から2019年5月31日までに,大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科を受診した初診患者140名とした.ただし,通常の歯科診療(検診依頼,一般歯科治療等)を目的とした紹介患者は除外した.初診患者の平均年齢は,66±18歳であり,80歳代が最も多かった.依頼元は,院内他科が74%であり,主訴内容は,「喋りにくい」が30件,「口腔外科オペ後リハ依頼」が29件,「嚥下困難」が28件であった.原因疾患は,頭頸部悪性腫瘍が39%,フレイルが20%であった.歯科的対応内容は,口腔リハ実施のみが69%で,高い頻度の訓練内容は舌機能訓練であった.生活機能における改善項目は,摂取可能な食品数の増加や食事形態向上が24%であった.本調査において,当科では,生活機能に影響を及ぼす口腔機能障害が診られる患者が多いことが示唆された.今後,口腔リハビリテーションのアウトカムとして,生活機能を指標とした評価項目開発にむけ,さらなる研究が必要であると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 84 (1), 1-6, 2021-03-25

    大阪歯科学会

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