生細胞における遺伝暗号の改変と応用

書誌事項

タイトル別名
  • In vivo engineering of the genetic code and its applications
  • ナマ サイボウ ニ オケル イデン アンゴウ ノ カイヘン ト オウヨウ

この論文をさがす

説明

tRNAとコドンを中心に遺伝暗号の改変について解説する.非天然アミノ酸を遺伝的にコード化するためのコドンの人為的な再定義においては,tRNAの役割を含めた遺伝情報の翻訳分子機構の改変が必要である.加えてゲノムにおけるコドンの分布を再アレンジすることも求められる.この二つの側面を調和させながらコドンの再定義が進められるが,この二つは必ずしも同時に完了しなくてもよく,ずれから生じるコドン定義のあいまいさは生物システムによって許容されているようである.これまでに多様な非天然アミノ酸がタンパク質へ組み込まれ,さまざまな有用性が示されてきたが,非天然アミノ酸レパートリーに基づいた新しいタンパク質科学・工学はまだ端緒についたところである.遺伝暗号の人為的進化と応用について,今後の研究の方向性も含めて議論したい.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 93 (3), 291-297, 2021-06-25

    公益社団法人日本生化学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ