胃癌術後精巣再発に対しサルベージ手術を行い長期生存を得た1例

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タイトル別名
  • A Case of Gastric Cancer with Long-Term Survival after Salvage Surgery for Testicular Recurrence

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抄録

<p>転移性精巣腫瘍はまれな疾患であり,原発巣として胃癌は6番目に多いとされている.精巣は,解剖学的・発生学的に免疫系から隔絶される免疫特権をもつ特殊な器官の一つといわれており,解剖学的,免疫学的バリア機構が精巣への悪性腫瘍の転移を防いでいると推察される.その一方で,バリア機構により抗癌剤自体の精巣移行性が悪い可能性も示唆される.症例は42歳の男性で,胃癌術後6年目に精巣転移と診断された.化学療法(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム+シスプラチン,ラムシルマブ)により転移巣の縮小を認めなかったが,精巣以外の部位に再発なくコントロールできていたため,陰囊摘出術を行った.現在,術後3年10か月間化学療法なく無再発で経過している.本症例のように転移巣が精巣のみに限局し,その他の部位に再発を認めない症例では,サルベージ手術は有効であると考えられる.</p>

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参考文献 (9)*注記

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