教師志望学生の理科授業についての批評視点に関する研究 : 模擬授業についての批評を事例として

書誌事項

タイトル別名
  • Prospective Teachers' Critical Perspectives of Science Teaching : A Case Study of Trial Teaching Critiques
  • キョウシ シボウ ガクセイ ノ リカ ジュギョウ ニ ツイテ ノ ヒヒョウ シテン ニ カンスル ケンキュウ : モギ ジュギョウ ニ ツイテ ノ ヒヒョウ オ ジレイ ト シテ

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抄録

<p>教育実習に向けての資質能力の形成について考えた場合,模擬授業は一定の役割を担うものと考えられる。この模擬授業を対象とした先行研究の多くでは,教師役の学生の力量形成に焦点が当てられてきている。しかし,実際のところ模擬授業で教師役を経験できる回数には限りがある一方で,児童役として模擬授業に参加し,授業づくりや授業実践のあり方について学ぶ機会が多いことを考慮すれば,授業実践の観察力や分析力等の形成の実態とその向上のための方策についても検討する必要がある。そこで本研究では,理科の模擬授業に児童役として参加した教師志望学生の理科授業に関する授業批評視点を明らかにすることを目的とした。学生がコメントカードの「良かった点」及び「改善点」として,どのような「内容」について記述しているか,また,どのような「深さ」のレベルで記述しているかについて分析した結果,次の3点が明らかとなった。(1)教師志望学生は,模擬授業について批評する際,「良かった点」及び「改善点」のいずれにおいても授業者の個別の教授行為を中心に検討していた。それに対して,教材について検討した学生は「良かった点」及び「改善点」のいずれにおいても少なく,授業構成については「改善点」において検討した学生が少なかった。(2)「良かった点」においては「小学校の授業全般」のレベルで記述する学生が多かった一方で,「単元固有」のレベルで記述した学生は少ない傾向にあった。(3)「改善点」においては「単元固有」のレベルで記述した学生が,他のレベルよりも多いか同程度であった。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 53 (1), 81-92, 2012-07-17

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (6)*注記

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