腹腔鏡下に摘出した骨盤内腫瘍 (転移性扁平上皮癌) の一例

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抄録

<p> 54歳, 女性. 主訴 : 右腰部~大腿部痛, 既往歴 : 40歳時高度異形成で子宮円錐切除後. CT, MRIにて右骨盤部, 内外腸骨動静脈近傍に56×40×60 mmの腫瘤を認め, 腹腔鏡下に摘出を行った. 頭低位25度, 経腹膜アプローチで後腹膜腔に到達. 腫瘍は右外腸骨動静脈に強固に癒着しており, 右閉鎖神経も近接し, 剥離に注意を要した. 手術時間 : 4時間15分, 出血 : 180 mL. 摘出重量 : 65 g. 術後病理はMetastatic squamous cell carcinoma : SCCであった. 術後, 右腰から大腿部の痛みはなくなり, 術後歩行障害も認めなかった. その後, 原発巣の精査を行ったが, 原発巣は不明. 高度異形成にて子宮円錐切除手術の既往と病理結果にてSCC, p16陽性の所見を認めることから子宮頸癌の転移と考え, 術後放射線治療 (全骨盤 50.4 Gy/28 fr) を施行. 術後約3年経過したが, 画像上再発なく, 採血上SCCも0.7 ng/mL (術前 3.2 ng/mL) と低値を維持している.</p>

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