鼻内視鏡手術を行った髄膜瘤に伴う髄液鼻漏例

  • 北田 有史
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 菊地 正弘
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 大森 孝一
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Cerebrospinal Fluid Rhinorrhea Associated with Meningocele Treated with Endoscopic Endonasal Approach

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抄録

<p>症例は47歳の女性。約15年前より繰り返す左水様性鼻漏と髄膜炎に対し近医で撮像した頭部MRIで頭蓋底から鼻腔にかけての陰影を指摘され,当科を紹介受診した。鼻内視鏡にて左蝶篩陥凹に白色の腫瘤と拍動性の髄液漏を認めた。副鼻腔CTでは左上鼻甲介内側の篩板が欠損し,軟組織陰影の脳から鼻腔への突出を認めた。対応するMRI像は,T2強調画像で髄液と同等の信号を示した。腫瘍性病変の併発や頭部外傷の既往はなく,髄膜瘤に伴い髄腋鼻漏を生じたと考えられた。安静などの保存的治療を行っても髄液鼻漏は改善せず,内視鏡下に髄膜瘤切除術を施行した。左上鼻甲介内側の嗅裂天蓋部に,約5 mmの髄膜瘤を認めた。上鼻甲介を切除,後部篩骨蜂巣を開放後に髄膜瘤を切除し,硬膜欠損部を同定した。人工硬膜片(DuraGen®)を硬膜欠損部にin-lay,over-layし,さらに中鼻甲介粘膜弁をoverlayし,多層性に頭蓋底再建を施行した。術後6ヵ月経過しているが,髄液漏の再発は認めていない。</p><p>篩板に発生した髄膜瘤に伴う髄液漏に対しては,鼻内視鏡手術は低侵襲かつ有用な手技と思われた。</p>

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参考文献 (27)*注記

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