排泄低下型高尿酸血症の診断におけるスポット尿の尿酸排泄分画(FEua)の妥当性

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  • The validity of the uric acid excretion fraction (FEua) of spot urine in the diagnosis of underexcretion-type hyperuricemia

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<p>蓄尿時間が異なる腎尿酸排泄能指標間の相同性を調べた報告は少なく,スポット尿で求めた尿酸クリアランス分画(FEuaスポット)を腎尿酸排泄能の指標として用いる妥当性は明らかとは言えない.私たちは「わが国における尿酸排泄動態に関する基準範囲の検討(RICE-U)」の研究データ,およびすでに報告した排泄低下型高尿酸血症を検出するFEuaスポット,60分尿酸クリアランス(Cua 60分),あるいは24時間尿酸クリアランス(Cua 24時間)のカットオフ値を用いて,これら3種類の指標を用いた診断の一致度,各指標の精度,指標間の相関性を検討した.対象はRICE-U研究に参加した20歳〜65歳の室内勤務者のうち,生活習慣や疾病等で除外されなかった者とした.各指標間の排泄低下型高尿酸血症診断における相同性はκ係数を用いて評価した.また各検査の精度を比較するため変動係数を算出するとともに,各検査間の相関関係を検討した.解析対象者は796名,男性446名,女性350名であり,高尿酸血症を示したのは75名(9.4%),すべて男性であった.排泄低下型高尿酸血症診断の一致率とκ係数は,FEuaスポットとCua24時間で71.0%,0.43,FEuaスポットとCua 60分で72.4%,0.42,Cua24時間とCua 60分で76.0%,0.48で,相動性はすべてmoderateであった.3種類の指標の男女別の変動係数は30〜35%と同程度であり,各指標間で有意に正の相関関係がみられた.3種類の腎尿酸排泄能指標が相互に代用できると考えられ,汎用性を考慮すると,簡便性に優れるFEuaスポット値を普及させる妥当性が推察された.</p>

収録刊行物

  • 痛風と尿酸・核酸

    痛風と尿酸・核酸 45 (1), 61-68, 2021-07-25

    一般社団法人 日本痛風・尿酸核酸学会

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