フルオロキノロン耐性,莢膜多糖体非合成髄膜炎菌による脾臓摘出後重症感染症の一例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of overwhelming postsplenectomy infection by fluoroquinolone-resistant noncapsulated <i>Neisseria meningitidis</i>
  • フルオロキノロン タイセイ,キョウマク タトウタイ ヒゴウセイ ズイマクエンキン ニ ヨル ヒゾウ テキシュツ ゴ ジュウショウ カンセンショウ ノ イチレイ

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抄録

<p>莢膜多糖体非合成髄膜炎菌による脾臓摘出後重症感染症の症例を経験した。患者は60歳代の女性。発熱,嘔吐で近医を受診したが,呂律困難の症状がありMRI検査により急性脳梗塞が疑われたため,当院へ緊急搬送された。血液検査の結果より炎症マーカーの上昇を認め,感染症の疑いで初期治療としてメロペネム(Meropenem; MEPM)およびバンコマイシン(Vancomycin; VCM)を投与したが,その後,血液培養検査にてグラム陰性球菌が検出されたため,脾臓摘出の既往があることを踏まえて,投与抗菌薬をセフトリアキソン(Ceftriaxone; CTRX)へ変更した。さらに質量分析法および薬剤感受性試験からフルオロキノロン耐性Neisseria meningitidisと同定したが,その後は髄液中の細胞数増加を認めず培養も陰性となり,第17病日に軽快退院した。後日,他機関における本症例の検出株の血清型および遺伝子型の精査により,莢膜多糖体非合成株と判明した。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 70 (3), 583-587, 2021-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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