HbA1c偽高値および小球性低色素性貧血より,HbH症(--SEA#/HbCS[HBA2:c.427T>C])が発見されたタイ人男性の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Male Thai Case of Hemoglobin H Disease (--SEA#/HbCS[HBA2: c.427T>C] Found by Spuriously High HbA1c on High-performance Liquid Chromatography and Microcytic Anemia

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説明

<p>症例は36歳タイ人男性.健診でHbA1c高値および小球性低色素性貧血を指摘され来院した.空腹時血糖値87 mg/dL,HbA1c 10.9 %と乖離が認められ,異常Hb症などが疑われたため精査を開始した.非鉄欠乏性の小球性貧血でありサラセミアを疑いHb遺伝子の検査を行った結果,[--/αTα]型のαサラセミア症(HbH症)であることが判明した.不安定HbであるHbH(β4)の変性物がHbA1cと共溶出したために,偽高値となったものと解釈された.αT遺伝子はHb Constant Spring [HBA2:c.427T>C,つまりHbCS:α2 codon142 TAA(Stop)→CAA(Gln)]であった.Hb CSはHPLCではHbA分画(洗い出し分画)に溶出されたものと思われた.血糖値,HbA1c値乖離が見られた際には,Hb異常症の可能性などを考慮して診断を進めていく必要がある.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 64 (7), 395-401, 2021-07-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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