職域男性における利用する加熱式タバコと朝食欠食・毎日飲酒との関連:横断研究

  • 加藤 善士
    藤田医科大学医学部公衆衛生学 岡崎労働基準協会
  • 李 媛英
    藤田医科大学医学部公衆衛生学
  • 松永 眞章
    藤田医科大学医学部公衆衛生学
  • 八谷 寛
    藤田医科大学医学部公衆衛生学 名古屋大学大学院医学系研究科 国際保健医療学・公衆衛生学
  • 太田 充彦
    藤田医科大学医学部公衆衛生学

書誌事項

タイトル別名
  • ショクイキ ダンセイ ニ オケル リヨウ スル カネツシキ タバコ ト チョウショク ケッショク ・ マイニチ インシュ ト ノ カンレン : オウダン ケンキュウ

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抄録

<p>目的 職域男性における加熱式タバコと朝食習慣・飲酒習慣の関連を探索すること。</p><p>方法 2019年4月から6月の間に,労働安全衛生教育・THP研修を受講した異なる企業からの参加者(819人)に自記式質問紙調査を実施した。男性(679人)を分析対象として,朝食習慣(朝食欠食)・飲酒習慣(毎日飲酒)と喫煙習慣(タバコの種別),性別,年齢,業種,企業規模等との関連をカイ二乗検定で調べたのち,関連のあった項目を調整して,朝食習慣・毎日飲酒を目的変数,喫煙習慣を説明変数とする2項ロジステック回帰分析を行った。</p><p>結果 対象者のうち40歳以上が63.5%,業種は製造業が75.4%,従業員数1,000人以上企業に所属する者が40.2%を占めた。現喫煙者は対象者の37.7%(加熱式タバコのみ10.2%,通常タバコのみ19.0%,両者併用が8.5%),朝食欠食者は31.8%,毎日飲酒している者は18.9%であった。朝食欠食の割合は通常タバコのみ,または加熱式タバコとの併用者でそれぞれ45.3%,43.1%と高く,次いで加熱式タバコのみの使用者で34.8%,非喫煙者で30.5%,過去喫煙者で19.6%であった (P<0.001)。朝食欠食の非喫煙者を基準としたオッズ比(年齢及び業種を調整)は通常タバコのみの使用で2.04(95%信頼区間:1.28–3.26)であった。毎日飲酒する者の割合は,通常タバコと加熱式タバコとの併用者で34.5%と最も高く,通常タバコのみで27.3%,加熱式タバコのみで26.1%と過去喫煙者の19.5%,非喫煙者の8.9%より高かった(P<0.001)。毎日飲酒の非喫煙者を基準としたオッズ比(年齢及び役職等を調整)は,通常タバコと加熱式タバコの併用で4.90(2.33–10.3),通常タバコのみの使用で3.54(1.93–6.50),加熱式タバコのみの使用で2.97(1.44–6.14)であった。</p><p>結論 職域男性では,通常タバコ,加熱式タバコ, その併用のいずれの喫煙も毎日飲酒と関連し,併用者で最も関連が強かった。朝食欠食は通常タバコの利用と関連した。喫煙習慣と朝食欠食・毎日飲酒の関連は利用するタバコの種類により異なる可能性がある。</p>

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