急性肝不全に陥ることなく致死的経過を辿った急性E型肝炎の1例

  • 山内 菜緒
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 安中 哲也
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 高木 章乃夫
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 日並 義統
    製鉄記念広畑病院消化器内科
  • 木野村 賢
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
  • 河原 明奈
    岡山大学病院病理部
  • 足立 卓哉
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 大山 淳史
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 和田 望
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 竹内 康人
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 大西 秀樹
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 白羽 英則
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学
  • 岡田 裕之
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Lethal biliary congestive acute hepatitis E without acute liver failure: A case report
  • キュウセイ カンフゼン ニ オチイル コト ナク チシテキ ケイカ オ タドッタ キュウセイ Eガタ カンエン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は64歳,男性.過去の健診でビリルビン高値の指摘あり.家人に黄疸を指摘され,前医を受診,AST 1526 U/l,ALT 2058 U/lと肝障害を認め入院,ビリルビン上昇も伴っていたが,PT正常で急性肝不全には陥っていなかった.HEV RNA陽性が判明,肝生検で急性肝炎像を呈しており,急性E型肝炎として保存的加療となった.Transaminseは低下,PTも正常範囲を維持,HEV RNA陰性化したが高ビリルビン血症悪化,第75病日に転院.急性腎不全を合併,消化管出血,更に細菌性・真菌性敗血症を合併し,第169病日に死亡した.病理解剖にて,肝臓は萎縮もなく,肝細胞壊死や肝線維化は軽度で強い胆汁栓を認める所見であった.肝合成能は維持されるも胆汁うっ滞が遷延し,全身合併症により死亡したと考えられ,移植適応をどう考えていくかを含めて示唆に富む症例であり,報告する.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 62 (8), 463-470, 2021-08-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (9)*注記

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