クサレダマの生活史

書誌事項

タイトル別名
  • The Life History of the Lysimachia vulgaris L. subsp. davurica (Ledeb.) tatew
  • クサレダマの生活史 : 日本産草本植物の生活史研究プロジェクト報告(第12報)
  • クサレダマ ノ セイカツシ : ニホンサン ソウホン ショクブツ ノ セイカツシ ケンキュウ プロジェクト ホウコク(ダイ12ホウ)
  • project report for the life history flora of the Japanese herbaceous angiosperms angiosperms Ⅻ
  • 日本産草本植物の生活史研究プロジェクト報告第12報

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抄録

観察から,発芽した実生は一年目から匍匐根茎による交代型仮軸分枝によるクローン成長を行い,開花は実生からクローン成長した娘ラメットで翌夏に生じた.花梗や花柄は花序の下部で対生につくが,上部になるに従い左巻きの螺旋状となる傾向にあり,花弁や萼片においても左巻きの片巻き状で葉序においても左巻きの螺旋葉序と捉えられた.開花は天候に左右されずに生じ,寿命は2 ~ 3日でその間,わずかに花弁の開閉が生じた.花にはミツバチ上科とヒラタアブ亜科が訪れていたが,行動からミツバチ上科が花粉媒介に関与するものと考えられた. 蒴果は熟すまでに約 3 ヶ月を要し,完熟種子を乾燥下で低温処理を施さず翌春に播種した実験では,短期間のうちに相当数の発芽が生じた.これは,種子が二次休眠に誘導されない状態で越冬し,低温により発芽が抑制されているのだろうと考えられた.

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