非アルコール性脂肪肝 (NAFL) モデル動物を用いたニコチンアミドによる脂肪肝改善メカニズムに関する研究
書誌事項
- タイトル別名
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- Study on the mechanism of fatty liver improvement by nicotinamide in non-alcoholic fatty liver (NAFL) model animals
抄録
<p>【目的】演者らのこれまでの検討から、単純性脂肪肝 (NAFL) モデルラットにN1-methylnicotinamide (MNA) とMNAの代謝酵素aldehyde oxidase (AO) の阻害剤であるhydralazine (HYD) を併用投与すると、脂肪肝が改善することを見出している。更に最近の研究では、NAFLモデルラットにMNAの前駆体であるnicotinamide (NAM)とS-adenosylmethionine (SAM) およびHYDを一定期間併用投与すると、肝臓内MNA濃度が増加し、脂肪肝の改善効果が認められている。なお、NAMは肝臓に局在するnicotinamide N-methyltransferase (NNMT)と補酵素のSAMによってメチル化代謝され、MNAを生成する。そこで本研究では、NAMによる脂肪肝改善メカニズムの一端を探るために、以下のin vitro代謝試験を実施した。</p><p>【方法】NAFLモデルラットから調製した肝ホモジネートを用い、薬物非添加群、HYD添加群、HYD+SAM添加群を設けて、37℃で反応後、肝ホモジネート中のMNA濃度及びMNAの代謝物である4-PY濃度をLC-MS/MSにより測定した。</p><p>【結果および考察】1) 薬物非添加群では、MNAが僅かしか増加せず、代謝物の4-PYが生成したのに対し、HYD添加群では、薬物非添加群に比べMNAが増加し、4-PYは生成されなかった。2) HYD+SAM添加群では、HYD添加群に比べMNAの生成が顕著に増加した。1), 2) のin vitro試験結果より、外因性SAMのラットへの併用投与が肝臓におけるNAMからMNAへのメチル化代謝の効率を高め、更にHYDの併用が肝臓AO代謝を強力に阻害することで、肝臓内MNA曝露を増加させ、ラットの脂肪肝改善に繋がった可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 48.1 (0), P-44E-, 2021
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390851961198479488
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- NII論文ID
- 130008073845
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可