繭糸強度の高い蚕育成系統「MN502」および「MC502」とその交雑種「MN502×MC502」の性状

  • 岡田 英二
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
  • 中島 健一
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
  • 伊賀 正年
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
  • 飯塚 哲也
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

書誌事項

タイトル別名
  • New silkworm breeding lines with high-strength silk thread “MN502” and “MC502”, and their hybrid “MN502×MC502”
  • ケンシ キョウド ノ タカイ カイコ イクセイ ケイトウ 「 MN502 」 オヨビ 「 MC502 」 ト ソノ コウザツシュ 「 MN502 × MC502 」 ノ セイジョウ

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抄録

<p> 生糸の新たな付加価値として,普通は3〜4 gf/dである繭糸強度を越える高強度繭糸に蚕糸関係者の関心は高い.農研機構が保有する蚕品種には,強度が6 gf/dの諸桂や5 gf/dを越える吉N,日124号があり,高強度繭糸の育種では有望である.これらと実用育種素材の日149号,中515号を用いて高強度系蚕の育成を図った.日124号×吉Nと日149号×日124号の四元交雑種から強度について選抜・継代し,新たにMN502という日本種系固定種を育成した.中国種系では中515号×208ABと諸桂の三元交雑種から固定種MC502を育成した.このMN502×MC502の飼育成績と繰糸成績を,白麗®,ありあけ,日137号×支146号の交雑種と比較すると,繭重と繭層重は軽く,これらと相関関係のある繭糸長,生糸量歩合,繭糸量も低かった.しかし,繭糸強度は4.99 gf/dの最高値を示したので育成を続け,近年,MN502は4.86,MC502は5.25,その交雑種は5.31 gf/dの強度を示した.この特性の遺伝効果は超優性の様相を呈し,MC502による影響が示唆される.</p>

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