雲物理を陽に計算する全球非静力学大気モデルシミュレーションによる夏季熱帯季節内振動に関する予測スキル

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タイトル別名
  • Prediction Skill of the Boreal Summer Intra-Seasonal Oscillation in Global Non-hydrostatic Atmospheric Model Simulations with Explicit Cloud Microphysics
  • Prediction Skill of the Boreal Summer Intra-Seasonal Oscillation in Global Non-hydrostatic Atmospheric Model Simulations with Explicit Cloud Microphysics : Special Edition on DYAMOND : The DYnamics of the Atmospheric general circulation Modeled On Non-hydrostatic Domains

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説明

<p> 雲物理を陽に計算する格子間隔14 kmの全球非静力学大気モデルNICAMを用いて1か月積分における夏季熱帯季節内振動(BSISO)の予測スキルを評価した。数値実験データとして、2000–2014年の8月の各日付を初期値としたhindcast実験による13950日分の積分、計465本のシミュレーションを用いた。予測スコアを基にした統計解析によると、NICAMはおよそ24日間のBSISO予測スキルを持つことが示された。特に初期値がBSISOのphase 7–1にある時、予測スキルはさらに約2日高くなることが分かった。BSISO のphase 7–1時の特徴は、フィリピン諸島上で対流活動が減衰し始める一方、西インド洋で新たな対流が組織化し始める際の構造に対応する。BSISOの位相速度や振幅の変化について調べたところ、NICAMでは、海洋大陸から西部太平洋上で外向き長波放射(OLR)が北西から南東に明瞭に傾いた構造をよく再現する。一方、フィリピン海上に対流が留まりやすくなる傾向があることが分かった。位相平面上で解析すると、対流が留まりやすくなるという特徴により、位相速度がphase6–7で観測よりも小さく、phase8–1で振幅が大きく減衰しやすくなる。湿潤静的エネルギーを用いた回帰解析によると、フィリピン海上での対流の滞留は、NICAMで再現される背景場としての南風が弱いことに原因がある可能性があることが分かった。この大規模循環のバイアスは水蒸気場のバイアスとそれに付随する背景場のモンスーン循環と密接に結びついていると考えられる。故に、BSISOの予測スキルの向上には背景場バイアスを軽減するモデルの物理過程の改良が重要であることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 99 (4), 973-992, 2021

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (81)*注記

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