<i>EGFR</i>遺伝子変異,<i>ALK</i>融合遺伝子変異同時陽性例が化学療法施行後に小細胞癌転化した1症例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of EGFR Mutation and EML4-ALK Mutation-positive Lung Adenocarcinoma That Transformed to Small-cell Lung Cancer After Chemotherapy

この論文をさがす

抄録

<p>背景.EGFR-TKIの耐性機序として小細胞癌転化が報告されており,小細胞肺癌の化学療法が奏功することが報告されている.またEGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子は排他的であるとされており,同時陽性例は非常にまれである.症例.64歳,男性.前院にてキャッスルマン病治療後の経過観察CTにて右上葉に結節影,右胸水を認め,右上葉切除,胸膜病変摘出,病理所見で腺癌が検出,病期診断pT4N0M1a(胸膜転移)stage IVと診断.手術検体でEGFR-L858R変異,ALK融合遺伝子変異を認め,エルロチニブ内服開始.その後,耐性化し,T790M陽性となり,オシメルチニブ投与.再発後複数の殺細胞性抗癌剤を使用し抵抗性となり,治療検討目的に当院紹介となった.3rd biopsyを行い,小細胞肺癌転化と同時にEGFR-L858R,ALK融合遺伝子変異も検出され,小細胞肺癌の治療としてアムルビシン投与し,奏功した.結論.EGFR遺伝子変異,ALK融合遺伝子変異同時陽性例が化学療法施行後に小細胞癌転化した希少な症例を経験したので報告する.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 61 (4), 342-346, 2021-08-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ