大河ドラマの観光活用の変容

  • 中村 容子
    長崎国際大学大学院博士後期課程地域マネジメント専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The Regional Improvement which Utilized the Taiga Dramas
  • 大河ドラマの観光活用の変容 : 山梨県を事例として
  • タイガ ドラマ ノ カンコウ カツヨウ ノ ヘンヨウ : ヤマナシケン オ ジレイ ト シテ
  • A Case of Yamanashi Prefecture
  • 山梨県を事例として

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抄録

山梨県では、1956年に観光事業振興5ヵ年計画を立て、戦国武将武田信玄の観光活用を開始した。高度経済成長期の最盛期の1969年に、大河ドラマ「天と地と」が放映されると、同年に武田信玄の銅像の建立、放映後の1970年に「信玄公祭り」が創作され、これらは観光客の増加に拍車をかけることになった。その反面、武田信玄関連の史跡の荒廃が問題視された。 「武田信玄」放映に際しては、バブル経済の好景気を背景に、大河ドラマのロケ地建設や武田信玄関連史跡の整備が行われた。しかし、放映後の観光客数は放映前の数値に戻った。また,観光客によるゴミ投棄や違法駐車など地域住民に対する迷惑行為がみられた。そして、「風林火山」は、甲府市中心商店街の活性化を意図した観光客誘致の新たな取り組みがみられた。 山梨県を舞台とした大河ドラマ3作品は観光活用に寄与しており,そこには大河ドラマの作品内容の違いや当時の社会情勢が反映されており、個々に異なる観光活用を行ったといえる。

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