抄紙ワイヤーによる駆動負荷低減事例

  • 古髙 圭
    日本フイルコン株式会社 製紙・機能ファブリックカンパニー技術部

書誌事項

タイトル別名
  • Example of Drive Load Reduction by Forming Fabric
  • ショウシ ワイヤー ニ ヨル クドウ フカ テイゲン ジレイ

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抄録

<p>抄紙ワイヤーはワイヤーパートで使用される用具であり,その役割は①脱水,②紙質形成,③搬送の3つである。特に紙質形成に関しては,紙の出来上がりを左右する重要な役割であるため要求度は高い。また,坪量範囲が薄物から厚物まで広範囲であることから,脱水や搬送に関しても多様な要求がある。現代では製紙業界における高品質,高生産性への要求が高まり,抄紙機は大型化,高速化へと発展している。抄紙ワイヤーもその要求を満たすべく常に進化し続けている。</p><p>現在,パリ協定の温室効果ガス削減や持続可能な開発目標(SDGs)の経済・社会・環境のバランスの取れた社会を目指すことが,世界共通の目標となっている。国内においても省エネ法により,エネルギー供給の低炭素化や省エネルギーを図ることが企業,社会に求められている。</p><p>日本の電源構成の多くは化石燃料に依存しており,燃焼時にCO2を多く排出することから,CO2排出量の少ない電源への移行が課題となっている。紙パルプ産業は,消費電力が多く,中低圧蒸気を使用することから熱電併給システムが発達しており,自家発電設備を多く所有している。また積極的に燃料転換投資や省エネルギー投資が行われ,CO2排出量の少ない設備への移行が進められている。</p><p>ワイヤーパートにおける駆動電力は年間推定数百万〜数億円にもなり,駆動負荷低減は大きなエネルギー削減効果が期待出来る。以前から,ワイヤーによる駆動負荷低減が試されているが,低減効果が認められた反面,寿命の低下が見受けられ課題が残る状況であった。</p><p>当社では初期の課題を改善した新たな駆動負荷低減ワイヤーを開発した。本稿では当該ワイヤーによる駆動負荷低減事例を紹介する。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 75 (6), 522-526, 2021

    紙パルプ技術協会

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