出生前診断できなかった巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症(MMIHS)の1例

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  • A case of Megacystis Microcolon Intestinal Hypoperistalsis Syndrome(MMIHS)that could not be diagnosed prenatally

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抄録

<p> 巨大膀胱を呈したが出生前診断できなかった巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症(MMIHS)の1例を報告する.</p><p> 男性胎児は在胎30週の超音波検査で腹腔内嚢胞を指摘,在胎32週巨大膀胱,水腎症と診断,在胎34週当院に紹介された.下部尿路閉塞(LUTO)を疑ったが,羊水量は正常でMRI検査で巨大膀胱や水腎症を認めるものの尿道拡張は認めず,胃拡張を認めた.在胎38週6日体重3,032gで出生した.胆汁性胃液が吸引され,注腸検査ではmicrocolonを呈し,直腸生検で神経節細胞を認めMMIHSと診断した.現在月齢11で腸閉塞,尿閉状態で胃瘻,膀胱瘻を造設し,中心静脈栄養で管理中である.</p><p> LUTOが疑われた場合,頻度はまれであるが鑑別疾患としてMMIHSも考慮すべきである.MMIHSにおいては羊水過多,消化管拡張の出現時期が遅い場合もあり,超音波検査に加えてMRI検査で消化管を詳細に観察することが鑑別に有用と考えられた.</p>

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