A大学病院精神科病棟における禁煙化への取り組み

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タイトル別名
  • Approaches to Banning Smoking in the Psychiatric unit of A University Hospital
  • Results of the Examination of a Key Person Interview
  • ~キーパーソンインタビューによる検討の結果~

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抄録

要 旨<br> 諸言:大学付属病院精神科病棟の敷地内禁煙化実施率は60%を超えている。しかし、これらの病院では、禁煙化までにどのような困難があったのか、その困難は先駆に取り組んだ病院と同様のものであったのか、異なるのかは報告されていない。そこで、2009年に敷地内禁煙を実施したA大学病院精神科病棟における禁煙化までの取組みと現状についてのキーパーソンインタビューを実施した。<br> 方法:東京都内にある60床の精神科病棟を有するA大学病院の禁煙化ワーキンググループメンバー1名に半構造化インタビューを行った。調査は2010年3月に行い、実施にあたっては調査実施時に筆者が所属していた施設において倫理審査委員会の承認を受けた。<br> 結果:A大学病院では、禁煙外来の開設を契機とし、敷地内禁煙化実施について院長通達を出し、強い強制力のもと実施に至った。また、初期に禁煙化した精神科病院では、様々な禁煙治療や禁煙指導が行われていたが、A大学病院では、禁煙教育や禁煙指導を実施することなく禁煙化に成功していた。<br> 結論:精神科における禁煙化導入では、入院患者への禁煙治療や禁煙指導を行わずとも、患者の精神症状が悪化することなく導入できる可能性がある。

収録刊行物

  • 禁煙科学

    禁煙科学 vol.6 (04), 11-15, 2012

    日本禁煙科学会

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