当科における開腹下と腹腔鏡補助下大腸癌手術症例の比較検討

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タイトル別名
  • Clinical analysis of open and laparoscopy-assisted surgery for colorectal cancer
  • トウ カ ニ オケル カイフク カ ト フククウキョウ ホジョ カ ダイチョウガン シュジュツ ショウレイ ノ ヒカク ケントウ

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抄録

<p>緒言:当科では、医療の質向上を目的に、クリニカルパスを導入している。大腸癌に対する開腹下手術と腹腔鏡補助下手術で使用している結腸切除パスと低位前方切除パスに関するバリアンス分析を行い、主に周術期管理について検討を行った。</p><p>対象と方法:当院で電子カルテ導入となった2006年2月から2011年11月までの244例(パス脱落27例を除外)を対象として、歩行開始日、初回排ガス日、初回排便日、退院日、退院可能日について検討した。</p><p>結果:パスの完遂率は、88.9%(217/244例)であった。開腹下結腸切除術に比べて腹腔鏡補助下結腸切除術の歩行開始日は有意に早かった。開腹下低位前方切除術に比べて腹腔鏡補助下低位前方切除術の初回排ガス日は、有意に早かった。全症例における歩行開始日、初回排ガス日の平均は、約2日、初回排便日の平均は、約4日であった。開腹下手術と腹腔鏡補助下手術の退院日、退院可能日に有意差を認めなかった。退院可能日の平均は、開腹下手術で約13日、腹腔鏡下手術で約12日であった。</p><p>結論:腹腔鏡補助下手術において離床、腸管蠕動の回復が良好なことより、食事開始時期を早めることが可能と思われた。退院可能日の分析により、退院日のアウトカム設定を短縮することが可能と思われた。バリアンス分析により、従来、経験論的に常識として踏襲されてきた術後管理法の問題点を明確にすることができ、より安全で効率的な周術期管理が可能になると思われた。</p>

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