世界自然遺産候補地奄美大島の森林における植物の種多様性と伐採履歴および微地形との関係 ―鹿児島大学薩南諸島森林生態研究グループ―

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タイトル別名
  • Relationships between clear cutting history and/or microtopography and species diversity in the laurel forest of Amami-Oshima Island, a World Natural Heritage candidate, Kagoshima, Japan ―Kagoshima University Satsunan Islands Forest Ecosystem Research Group―

抄録

<p>世界自然遺産候補地の奄美大島と徳之島の照葉樹林において森林調査区を設定し,動植物のモニタリング体制の構築を進めている.本研究では,奄美大島の照葉樹林において情報の乏しい国有林以外の森林域を中心に,伐採履歴および微地形と種多様性との関係を把握することを目的として調査を行った.その結果,尾根に近い上部斜面域と,深い谷に面した下部斜面域では照葉樹林の構成種に共通性が見られるものの,明瞭に分布パターンが異なる種があることが明らかになった.特に,シダ植物やラン科植物などの地生草本は下部斜面域に分布する種が多く,非伐採地を中心に絶滅危惧種を多く含む着生植物の生育地となっていた.さらに,地点数-累積種数関係から下部斜面域の非伐採地では地点間の種組成の違いが大きく,ベータ多様性が全体の種多様性に大きく貢献していると考えられた.一方,伐採地に遍在する落葉樹や,尾根など上部斜面域に遍在する高木種や低木種もあった.以上の結果から,流域全体の植物の多様性が維持されるためには,尾根から谷までの斜面上のそれぞれに生育立地が存在することが不可欠であると考えられた.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390852503355697152
  • NII論文ID
    130008095021
  • DOI
    10.32215/pronatura.30.0_6
  • ISSN
    21897727
    24320943
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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