大気中のアスベスト分析の現状と課題

  • 小坂 浩
    (一社) 建築物石綿含有建材調査者協会
  • 小出 信幸
    (一社) 建築物石綿含有建材調査者協会
  • 伴丈 修
    (一社) 建築物石綿含有建材調査者協会

書誌事項

タイトル別名
  • Methods for Testing Airborne Asbestos and Current Asbestos Scenario
  • タイキ チュウ ノ アスベスト ブンセキ ノ ゲンジョウ ト カダイ

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説明

アスベストのリスク評価を述べたのち,主に環境省のアスベストモニタリングマニュアルを概説した。 2010 年以前はクリソタイルのみ,それ以降は総繊維を測定対象としており,データ評価には注意を要する。最新 (2017 年) の測定方法は,位相差顕微鏡法による総繊維数の計数および総繊維 1 f/L 以上の場合電子顕微鏡法による同定・計数である。解体現場等の迅速測定法として位相差/偏光顕微鏡法および位相差/蛍光顕微鏡法が,また石綿除去工事の管理・監視の目的でオンサイトのリアルタイム測定も採用されている。過去 10 年間のアスベスト濃度調査の結果から,旧石綿製造工場周辺でのクリソタイルが 1 f/L 以上観測されていること,解体現場等や破砕施設では,総繊維数 1 f/L 以上でアスベスト繊維が確認された事例が多いことが注目される。事業者による管理の徹底および自治体による監視が必要であろう。繊維計数は目を検出器とする特殊な測定であるため,日常的な計数管理および第三者機関による精度管理の必要性も述べた。

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参考文献 (6)*注記

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