高尿酸血症の病態とその治療
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- 市田 公美
- 東京薬科大学薬学部病態生理学教室
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抄録
エネルギー担体であるATPの構成成分であるアデニンそしてグアニンは、プリン骨格を持ったプリン塩基でありプリン体とも呼ばれる。これらは核酸の構成成分でもあり、その最終代謝産物が尿酸である。尿酸は細胞膜を通過する際には、トランスポーターを介して輸送される。近年、全ゲノム関連解析やトランスポーター研究の進展を通して、生体内の尿酸動態や高尿酸血症の発症メカニズムについて多くの知見が集積されてきた。血清尿酸値は、尿酸への代謝量(産生量)と腎臓を中心とした尿酸排泄能のバランスにより決定される。高尿酸血症は、そのバランスが尿酸プールの増大する方向に働いたときに起こり、その機序により病型として分類されている。本稿では、体内での尿酸の動態、高尿酸血症の病型と薬物治療について概説する。
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 57 (10), 907-911, 2021
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390852514693229952
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- NII論文ID
- 130008095685
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可