全国一般女性1,000人からのブレスト・アウェアネス,科学的根拠に基づく乳がん検診,家族性/遺伝性乳癌の認知度調査結果

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  • Cross-sectional online survey of knowledge of breast awareness, breast cancer screening, and familial/hereditary breast cancer in 1000 Japanese women

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説明

ブレスト・アウェアネスは「乳房を意識する生活習慣」であり,具体的には自分の乳房の状態を知り,乳房の変化に気を付け,変化に気付いたらすぐ医師に相談し,40歳になったら2年に1回乳がん検診を受けるという4つの習慣のことである。ブレスト・アウェアネスを啓発・促進することは今後の乳癌対策として期待されるが,現在のところ日本の一般女性に周知されているかは不明である。また,わが国の乳がん検診の受診率は低く,科学的根拠に基づく乳がん検診の理解が乏しいことも懸念されている。そこで今回,ブレスト・アウェアネスと乳がん検診,そして家族性/遺伝性乳癌の認知度について,全国の20歳から69歳の一般女性に対してインターネットによるアンケート調査を行い1,000名から有効回答を得た。回答者の5%がブレスト・アウェアネスを認知していた。科学的根拠に基づく乳がん検診方法がマンモグラフィであると正答した女性は31%であった。さらに乳がん検診の開始年齢が40歳からであると正答した女性は22%であった。回答者の71%が家族性/遺伝性乳癌を認知していた。39歳以下と40歳以上で各項目について比較したところ,有意差はなかったが39歳以下の女性でブレスト・アウェアネスの認知度が高く,40歳以上の女性が乳がん検診開始年齢を有意に正答し,検診方法としてマンモグラフィを正答する傾向にあった。今回のアンケート調査結果からブレスト・アウェアネスは十分に周知されておらず,科学的根拠に基づく乳がん検診の認知度も不十分であることが明らかとなった。ブレスト・アウェアネスの啓発・促進を行うとともに科学的根拠に基づく乳がん検診の適切な情報提供の継続が必要である。

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