システム・トランジションに果たすローカル・レベルの役割・位置付けに関する考察――分散型電カシステムヘの移行をめぐるわが国の動向を素材として――

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タイトル別名
  • システム・トランジションに果たすローカル・レベルの役割・位置付けに関する考察 : 分散型電力システムへの移行をめぐるわが国の動向を素材として
  • システム ・ トランジション ニ ハタス ローカル ・ レベル ノ ヤクワリ ・ イチズケ ニ カンスル コウサツ : ブンサンガタ デンリョク システム エ ノ イコウ オ メグル ワガクニ ノ ドウコウ オ ソザイ ト シテ

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説明

<p>わが国では,東日本大震災・福島原発事故を契機に露見した大規模集中型の電カシステムの脆弱性を,再生可能エネルギーを用いた小規模電源や蓄電池等の分散型技術の導入により克服しようとする一連の展開を見る。電カシステムの分散化は,エネルギーの地産地消を志向した,地域主体のエネルギー・ガバナンスに道をひらくと謳われる。また,地域賦存の再生可能エネルギーの域内活用は,地元雇用や税収増をもたらすとされる。このため,地域再生・地方創生の観点から,分散化の帰趨に関心を寄せる地方自治体や地域事業者も多い。そこで本稿では,サステナビリティ・トランジション論に依拠しつつ,分散型システムヘの移行に果たすローカル・レベルの役割やその位置付けについて論義する。今日の同論は,ローカルに萌芽するイノベーションにかかわる実験的試みと,ナショナルに作用する既存システムの変革の様態との相互連関をめぐり,その論考を深化させている。本稿では,その中から,ナショナルーローカル間空間モデル,構造一アクター間モデル,エンパワーメントの類型論,社会的着床化モデル,の4種業績を概観した上で,今般の「エネルギー供給強靱化法」(2020年6月)に至る施策展開を主な素材とした考察を行い,エネルギーの地産地消や自立分散型システムの実装・普及に資する,ローカル・レベルにおける実践やその制度化の可否を分析するための視座・枠組みにつき含意を得る。</p>

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