本邦で臨床応用できるHFpEFのフェノタイピングを考える

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  • Specialized Phenotyping Algorithm for Japanese HFpEF Patients is Needed for the Effective Treatment and Prognostic Estimation:Learnings from PURSUIT-HFpEF registry

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<p> いまだ有効な治療法の確立されていないHFpEFにおいて,併存症を中心とした患者背景から臨床病型を分類,フェノタイピングすることで治療薬の有効性を検証するアプローチが試みられている.KaoらはI-PRESERVE試験をもとに,年齢,性別,併存症等11項目を用いた統計学的手法によりHFpEFを予後の異なるAからFの6グループに分類した(Eur J Heart Fail.2015).本研究では本邦における多施設共同前向き観察研究であるPURSUIT-HFpEF registry研究に登録された347症例が,上記手法を用いて同様の6グループに分類できるかを検討した.その結果,I-PRESERVE試験では各グループに比較的均一に分類されたが,PURSUIT-HFpEF registry登録症例ではFが83.0%,Cが9.2%に分類され,その他のグループに分類された症例はわずかでフェノタイピング結果が大きく異なり,I-PRESERVE試験の登録症例で提唱されたフェノタイピング手法をそのまま本邦のHFpEF症例に用いることはできないと言える.両者の違いの原因として,I-PRESERVE試験はHFpEFに対するイルベサルタンの有用性を検証するための介入試験で細かな登録基準があり,登録症例はわが国の実臨床で遭遇するHFpEF症例と臨床的背景が大きく異なることが考えられる.今後もHFpEF症例の新たなフェノタイピング手法の創出が期待されるが,ソースデータの患者背景に注意が必要であるとともに,対象症例を広く抽出した観察研究を基にしたフェノタイピング手法の創出が望まれる.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 52 (9), 1002-1010, 2020-09-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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