発生動態を指標としたマウス初期胚の性判別
書誌事項
- タイトル別名
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- Sexing of mouse embryos using a morphokinetic parameter
抄録
<p>【目的】雌雄の産み分け技術は様々な産業での応用が期待されており,バイオプシー法による初期胚の性判別や性判別精液はすでに実用レベルにまで到達している。しかし,バイオプシーによる胚の損傷やレーザー照射による精子DNAへのダメージおよび精子数・運動性の低下が問題視されている。そのため,非侵襲的な方法による性判別の実用化が望まれる。近年,我々は,マウスにおいて5細胞への発生スピードが速い胚の大部分が雄であることを報告した。本研究では初期胚の発生動態と性比の関連をより詳細に検討するために,タイムラプスインキュベーターを用いてマウス体外受精卵の培養を行った。【方法】性成熟したICRマウスから精子および卵子を回収し,TYH培地中で体外受精を行った。媒精後,受精卵をmW培地へ移し,タイムラプスインキュベーターを用いて37℃,5% CO2,95%空気下で精子添加後120時間まで培養した。各胚の発生動態は15分間隔で写真を撮影することで得た。培養終了後,全ての胚を個別にPCR-高分解能融解曲線解析で雌雄を判定した。【結果】媒精後24時間で2細胞へ分割した胚は100%(433/433),48時間で4細胞へ分割した胚は91%(395/433),120時間で胚盤胞になった胚は81%(352/433)だった。各胚は媒精後40–86時間(平均53時間45分)の間で,5細胞へ分割した。各胚の雌雄を判定したところ,雄胚の割合は51%(163/318)であった。49時間未満に5細胞へ分割した胚では雄が82%(23/28)と有意に(P < 0.01)多くなった。その後,雄胚の割合は徐々に減少し,53時間未満に5細胞へ分割した胚では雄が52%(83/160)となり,性比の偏りが見られなくなった。以上の結果から,タイムラプスインキュベーターを用いた発生動態の詳細な観察により,性判別のための指標を決定することができた。ICRマウスでは5細胞への発生スピードを指標(媒精後49時間未満)とすることで,雄胚の選別が可能であることが示された。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 114 (0), OR-8-OR-8, 2021
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390852647193395840
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- NII論文ID
- 130008103856
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可