Mouse offspring obtained from freeze dried spermatozoa after transportation via postcard
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- ITO Daiyu
- Faculty of Life and Env. Sciences, University of Yamanashi
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- WAKAYAMA Sayaka
- A.B.C., University of Yamanashi
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- EMURA Rina
- Faculty of Life and Env. Sciences, University of Yamanashi
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- OOGA Masatoshi
- Faculty of Life and Env. Sciences, University of Yamanashi
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- WAKAYAMA Teruhiko
- A.B.C., University of Yamanashi
Bibliographic Information
- Other Title
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- はがきで輸送したマウス凍結乾燥精子からの個体作出
Description
<p>【背景・目的】哺乳類精子の保存及び輸送には液体窒素が従来用いられているが,タンクやドライシッパーなどの特殊容器が必要なうえ運搬には特別料金がかかり,作業には窒息や超低温による怪我の恐れを伴う。我々は第112・113回大会において,プラスチックシートを用いたマウス凍結乾燥精子の保存技術を発表した。本研究では,このシート保存技術がはがきや封筒を用いた簡便な精子の輸送技術として応用可能か検討した。【方法】精子はICR及びBCF1系統の雄マウスから採取し,10分間の凍結処理と6時間の真空乾燥処理を行った後,2枚のプラスチックシートを接着させながらその間に挟み保存した。実験1では,–30℃で最長3ヶ月,室温で最長1週間保存し,シート保存の限界を調べた。実験2では,実際に精子を挟んだシートをはがきに貼り付けるか,あるいは封筒に入れてポストに投函し,山梨県内,あるいは東京大(千葉県)から山梨大へ一般郵送した。対照区として郵送と同期間,研究室内の室温でシートを保存した。回収した精子はICRマウスの卵子へ顕微注入し,受精率及び産仔率の比較を行った。【結果】–30℃であれば3ヶ月間シートで保存しても産仔率は低下しなかったが,室温保存の場合産仔が得られる限界は3日間であった。山梨県内及び千葉-山梨県の郵送はいずれも2日以内で到着した。郵送した精子の産仔率(県内:産仔数2匹,4%,千葉-山梨県:産仔数4匹,7%)は,研究室で室温保存した対照区の精子の産仔率(産仔数2匹,3%)と差がなかった。【考察】マウス精子は本方法によりはがきで簡単に国内郵送できるようになった。本方法は,研究室間の簡便かつ低コストでの遺伝子改変マウスなどの分与を可能にし,研究の円滑な遂行に役立つと考えられる。しかし本方法が悪用された場合,例えば和牛の精子をはがきに貼り付けて海外へ不正輸出した場合,検疫で見つけることは困難であり,貴重な遺伝資源の違法流出さえも促進しかねない。本方法の実用化には,技術改善に加え国際的な法整備が不可欠である。</p>
Journal
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- The Journal of Reproduction and Development Supplement
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The Journal of Reproduction and Development Supplement 114 (0), OR-43-OR-43, 2021
The Society for Reproduction and Development
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390852647194386176
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- NII Article ID
- 130008103859
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed