母子センターにおける禁煙外来

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  • ~妊婦と非妊婦の比較~

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抄録

【目 的】<br> 開設以来の当センター禁煙外来受診者の喫煙状況、受診状況、禁煙率などについて検討する。<br> 【方 法】<br>  2004年3月~2011年4月までに当センター禁煙外来を受診した83名(妊婦:50名、非妊婦33名(女性24名、男性9名)を対象とし、喫煙状況(喫煙本数、呼気中CO濃度(ppm)、尿中ニコチン濃度指数)、受診状況(受診回数、禁煙方法(薬使用無し、ニコチン代替療法(ニコチンパッチ)、内服薬(バレニクリン))など)、禁煙率などについて妊婦と非妊婦(女性/男性)で比較検討した。また、妊婦においては喫煙状況と分娩週数、出生時体重/SDなどとの関連についても検討した。統計学的処理は、t検定、χ2検定、および多重比較(Dunnett法)を用いた。<br> 【成 績】<br> 1.妊婦の平均年齢は30.2歳で非妊婦より若く、平均受診回数は5.8回で、非妊婦より多かった(表1)。<br> 2.受診時年齢と受診回数の分布を図1に示す。<br> 3.妊婦は非妊婦(女性)より、初診時の喫煙本数は少なく、呼気中CO濃度・尿中ニコチン濃度指数も低かった(表1)。全ての群で喫煙本数、呼気CO濃度、尿中ニコチン濃度のいずれも、初診時より最終受診時に低下していた(図2)。<br> 4.禁煙率は、2回以上受診した妊婦41名、非妊婦28名(女性22名、男性6名)で求めた。非妊婦(男性)は83.3%で妊婦(39.0%)より高かったが、非妊婦(女性)は妊婦と有意な差は認めなかった(図3)。<br> 5.禁煙方法は妊婦では1名のみニコチンパッチでそれ以外は薬使用無しであった。非妊婦(女性)では薬使用無し:2名、ニコチンパッチ:10名、内服薬:10名で、非妊婦(男性)ではニコチンパッチ:5名、内服薬:1名で薬使用なしはいなかった(図4)。<br> 6.禁煙方法別の禁煙率は、内服薬(81.8%)が他の2群に比べ有意に高かった(図5)。<br> 7.当センターで単胎分娩した妊婦37名において、喫煙本数・呼気中CO濃度・尿中ニコチン濃度と分娩週数・児の出生体重・SDとの相関はみられなかった。<br> 8.2回以上受診した32名の喫煙本数・呼気中CO濃度・尿中ニコチン濃度は、初診時と最終受診時で正の相関がみられ、初診時の喫煙本数が多いほど禁煙しにくいと考えられた(図6)。<br>

収録刊行物

  • 禁煙科学

    禁煙科学 vol.5 (09), 6-7, 2011

    日本禁煙科学会

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