マイクロ光造樹脂の細胞毒性低減化手法

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タイトル別名
  • Detoxifying photocurable resin for microstereolithography

抄録

<p>熱溶融型、粉体焼結方式の3Dプリンタに比べマイクロ光造形法は、液体樹脂のプールに紫外線レーザーを照射することで光重合反応により液体樹脂を硬化させる。ため加工精度が圧倒的に高い。しかし重合反応の開始剤が不可欠で、本質的にラジカルな素材であるため生体への毒性が高いという問題があった。筆者らは光硬化後の造形樹脂上での細胞培養試験を行い、高い細胞毒性を確認した。安全な物質で表面コーティングするなど種々の工夫を試したが効果が無かった。最終的に樹脂の軟化温度を超える高い温度での熱処理が有効であることを見出した。従来マイクロ光造形法でも硬化樹脂の機械特性を安定化させるために硬化後の熱処理が行われてきたが、光造形樹脂内部の毒性物質を無毒化するには従来よりも高温での処理が必要であることが分かった。熱処理温度、時間などの最適条件の探索を行い、細胞レベルでの生体適合性を付与することに成功した。さらに高温熱処理時に発生するガスを分析し、毒性の原因を明確化した。また高温熱処理後も樹脂が十分な強度を持つことなど、機械特性の精密測定を行い、生体、医用応用の可能性を検証した。本研究成果を用いれば、今後、光造形法で作製した構造を体内埋め込みや、種々のバイオ医療デバイスへの応用を加速することができるようになった。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 145-145, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390852714994549120
  • NII論文ID
    130008105100
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.145
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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