光音響信号の多波長解析によるアニサキス検出

  • 吉田 奈央
    京都大学 医学研究科 人間健康科学系専攻
  • 浪田 健
    京都大学 医学研究科 人間健康科学系専攻
  • 近藤 健悟
    京都大学 医学研究科 人間健康科学系専攻
  • 山川 誠
    京都大学 医学研究科 人間健康科学系専攻
  • 椎名 毅
    京都大学 医学研究科 人間健康科学系専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Detection of anisakis using multi-wavelength analysis of photoacoustic signal

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説明

<p>アニサキスとはサバなどの魚に寄生する線虫である.アニサキスが寄生している生鮮魚介類を生で食すると,アニサキス症が引き起こされる.従来法であるキャンドリング検査では,魚の切り身の下から光を照射し,目視でアニサキスを検出しているが,内部に潜むアニサキスを全て検出することは困難である.そこで本研究では,到達深度が高く深部までの検出が期待できる光音響イメージングにより,切り身の内部に潜むアニサキスまで検出することとした.まず,紫外域および可視域(波長300-700 nm)においてアニサキス,生サバおよび生アジの光音響スペクトルを計測することにより,アニサキスの検出に適する光の波長の検討を行った.測定試料を入れた石英ガラスセルにパルス光を照射し,ハイドロフォンを用いて光音響信号を測定した.波長370-400 nmおよび490-540 nmにおいて,アニサキスのスペクトルは単調減少するのに対して,サバとアジのスペクトルは上昇することが明らかになった.これらのスペクトル形状の違いを利用してアニサキスとサバ,アジを識別するために,2波長間での信号強度比を用いる方法を考案し,検証を行った.その結果,強度比が異なることを確認した.これらの解析をとおし,提案手法の有用性を実証した.今後,さらなる検証を行いアニサキスの検出方法を確立するとともに,実用的なアニサキス検出装置の開発が必要であると考える.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 182-182, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390852714994806912
  • NII論文ID
    130008105094
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.182
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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